ポドゥナムカゲ
ソウルにある蟻の村の一角。
【ポドゥナムカゲ】からキムチの作り方ステッカーをお届けします。
サイズ W135mm×L190mm
▶︎ONLINEでのギフトラッピングは受けておりません。
▶︎当日の商品発送はできません。
▶︎商品発送までに3日間前後かかる場合があります。
こちらの商品はBASEでの購入となります
ポドゥナムカゲ
タルトンネとは月の街を意味し、坂道を登りきった場所、丘の上のような「月に届くほど」高い場所にある貧民街を指す言葉です。ソウルにはこうした生活圏が、街のすぐ裏側の各所に点在している。丘を登るための一本しかないバスの風景や、若者が新たな暮らしを模索すことのできる余白感じる空気感などいまなお残る都会生活とのコントラストが、古くて新しい文化の息吹を感じさせてくれるエリアだ。
そのタルトンネの一つである、この「ケミマウル」(蟻の村)は、朝鮮戦争の後、行くあてのない人たちが集まって作られた村で、ここに住む人々は蟻のように日々を懸命に生きているという意味から、ケミ(蟻/개미)マウル(村/마을)と名づけられたそうだ。
2014年弘済洞(ホンジェドン)の街の代表的なタルトンネである蟻の村の一角に、昔からあった雑貨屋「ポドゥナムカゲ」(日本語訳:ヤナギ商店)に入居した若手グループがいる。その名も【ポドゥナムカゲ】。創設メンバーのほとんどの若者が村に移住し、生活者コミュニティーを基盤に活動を立ち上げました。
当初は人が住める状態ではなかったお店。住居スペースを自分たちで改装し始め、5年間で約20人もの人が移り住みながら、生活空間やイベントスペースなどを住み開きのような形で次々と作っていった。また、参加するメンバー達の個性や技術によって、生活を共にするだけではなく、暮らしの知恵のアーカイブ、イベント企画、個展などといったプロジェクトも日々の暮らしや季節と並行して表現し続けられた。
こうして5年が経った2019年夏、弘済洞を中心とした街の再開発の波がこの街にも訪れる。再開発推進委員会は、この地に開発基地の事務所を作るとして、お店や住居スペースをすべて取り壊すという方針を出した。立ち退きを迫られたメンバーは、この先もこの村に残る意味や美しさを、活動を通してたくさんの方へ届けようと、ポドゥナムカゲの「看板」を片手に抱え坂を登り、蟻の村のもっと高い丘の上への移住を決めたのだ。
ポドゥナムカゲは現在も、いや、今まで以上に月に届くような高い丘の上で、以前の活動を振り返りながら、生活空間と工房を基盤とした次のステージを創造し続けている。